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2023/02/27 10:25

小学校3年生の夏、他界した祖父の思い出。
自分のカメラ好きのDNAは彼からの贈り物だと思っている。
小学校入学したての頃、独り、バスと電車を乗り継ぎ小さな冒険をしながら祖父宅へ遊びに行った。
到着するや否や、門を開け、靴を投げ捨てるように玄関を通り、居間へ上がると。
老眼鏡をちょっとずらして天秤ばかりと向き合う祖父が座っていた。
当時は、モノクロ写真の現像に使用する薬品は市販されていても今のように簡単に入手はできない時代。
市井の写真好きで、自ら、DPEを楽しむ愛好家は各々の秘密のレシピで、薬剤を調合していた。
半世紀以上、昔の話。
Olympus Pen Wide

そのころ、祖父から譲り受けたカメラ。

撮影するには自分で露出・ピントを決めなければならない時代。

「晴れた日は、絞りF11でシャッターは1/250

部屋の中は、絞りF2.8でシャッターは1/30

ピントは、友達を撮影するなら赤い2の数字。
風景を撮影するなら赤い5の数字に合わせる。」

祖父のレクチャーはそのままメモとなり、裏蓋に張り付けられていた。
肝心のフィルムは"SS PAN"100ft缶から。
当時の小学校はおおらかなもので、

「おじいちゃんからもらったカメラ」をランドセルに忍ばせて登校してもお咎めは受けなかった。

休み時間になればランドセルからカメラを取り出して撮影を楽しんだ。
DPE
は「おじいちゃんち」の暗室で、時に漆黒の闇。
時にボーット照らされる、セーフライトの下でいっぱしのカメラマンを気取っていた。
このOlympus Pen Wideから自分のカメラ史が始まった。